アスベスト調査者はどのような専門知識を持つ人？

建築や石綿について専門的な知識および技能があり、アスベストの使用実態の把握が確実にできる人材を育成する、このような目的で平成25年7月に創設されたものが建築物石綿含有建材調査者制度です。当制度は、登録機関になるための費用要件を満たしている機関が実施する講習を修了することで、建築物石綿含有建材調査者の資格が与えられる、2023年10月からこの資格を持つ者だけがアスベストの事前調査に携われることができるようになるなど、事前調査においての規制が厳しくなっています。建築物石綿含有建材調査者の資格は、アスベストに関する知識を持つことはもちろん、実務に関して精通している専門家です。石綿に関して、石綿が使用されている建材に関する知識があり、この知識を使うことで建材の採取方法および分析結果などの解析力を持つ、石綿含有建材の維持管理方法に関しての知識を有している証明になるものです。

建築物に関しての、意匠・構造・設備の知識以外にも、建材・施工手順・工法に関する知識を持つことから、設計図書および施工図などの読解力を有していて、必要情報を抽出できる能力も持ち合わせていることになります。これらの要件に加えて、アスベストのもたらす社会的な危険性を理解していることと、中立的な立場により的確な報告を行える力を持つなどの資格保有者のみが携われる業務になります。従来は地域や経験があればできる仕事でしたが、今後は資格を持たないと効力がないわけです。