アスベスト分析について

アスベストは石綿とも呼ばれており、自然界に存在している天然の鉱物繊維の総称でクリソタイル、アモサイトなど全6種類あります。これは、経済的に安価であり、耐熱性・紡績性・抗張力・耐摩擦性などの数々の優れた性質をもっていることから、戦後の高度経済成長期には幅広く様々な工業製品や建築の材料に使用されていました。ところが、1970代頃から飛散したアスベストを吸い込むことにより、じん肺、肺がん等になる可能性があると指摘され、現在では人体の有害性の観点から使用が禁止されています。このように人体に悪影響を及ぼす物質から人の健康を守るために行うのがアスベスト分析です。

この分析の流れとしては、まず建築物の解体等において建築図面等による書面調査、現地の使用状況の目視により事前調査を行います。次に、試料の採取を行い、重量比で0.1%を超えて含有されているかを確認するために定性分析を実施し、その結果含有ありとなった場合には、含有率を確認するための定量分析を行います。アスベストの繊維は非常に細く軽いため空気中に浮遊しやすい性質を持ち、肺に入ると長期間の潜伏期間を経て、病気を引き起こす可能性があります。このため、アスベストを使用している建築物を解体する場合などには特に注意が必要で、以上のような分析が非常に重要になります。

なお、石綿を使用していた建築物の解体は、2028年にピークを迎えると予測され、それによる健康被害が懸念されています。

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